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 完了したプロジェクトの実践報告です。何をどのように創造したのか、エピソードを添えて紹介します。
#04 旧工場を再生利用し、理念ある店にするために何をしたか。 |
#03 ブランディングと共に、ローコストで目指したカジュアルな手打ちそば店。 |
#02 素人がいきなり飲食店を経営!無謀な計画に対して提案したのは? |
#01 何度も訪れたくなる、環境と共存する観光牧場のために設定したこと。 |
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2004年、鳥取市内の乳製品工場が半世紀の歴史を閉じました。 この報告はその旧工場を生かし、地域の方々に新たな貢献をしたいと開発された商業施設のドキュメントです。 この建物は、事務所や組合員の集まる拠点でもあり、すべてを撤去するわけにはいきません。 そこで提案した、旧プラント部分を主体に、あるものは徹底して再利用するというプランは、経営陣の考えと合致するものでした。
工場という記憶を残す再生計画。
徹底した再利用は、逆にメッセージ性を強調するローコストプランになりえます。自然と共にある生産者の組合メーカーにとっても、理念に添った選択だったのです。
 
ただこのプロジェクトの実務は、それまで工場で生産ラインを稼働させていた方々が担当します。 乳製品を生産していたとはいえ、飲食サービス業の経験はゼロでした。 計画がスタートした日から、工事打ち合わせに加え、飲食店舗の方向も検討し、サービスノウハウも学ぶという、超多忙な日々が彼らに訪れました。 思い入れのある旧工場を生かすためにも、何としても完成させなくてはなりません。プロジェクトに選ばれた、一人一人が試行錯誤の日々でした。
工場のビフォア・アフター。
建物だけでなく、そこで廃棄される物も感謝と敬意をもって活用しました。使われなくなった旧型牛乳ビンも、店舗のオブジェとして中央を飾り、用済みとなった高架水槽と鉄塔は、施設のサインとして再生しています。 下の写真は、左が以前の状態、その右が完成後の姿です。 旧工場プラントも、乳製品や酪農業に関わる農産物を販売する、ホールに様変わりしました。
 
 
ハード面での開発と同時に、ソフト面の企画開発も急務でした。 決定されたのは、手作りの菓子工房と、炭火焼き飲食店の2つ。 未経験な方々にとって、大変なプレッシャーだったはずです。 「やりたいことをやれ」とスタッフを信頼する支所長。それに応えようとする面々。
“らしさ”の追求、健康と安全。
提案したコンセプトは「地産地消」と「健康と安全」。 それがこの場にとって、最も似合う“らしい”テーマだったのです。 それが、検討するすべての判断基準になりました。 また何としても創りたかったのは、ここだけの独創的なメニュー。 考え抜いたアイデアは、ヨーグルト漬け込み肉。 ヨーグルトの利用が、大山乳業農協らしさと、牛肉をヘルシーアイテムと位置づけるポイントと判断しました。 ヨーグルトに漬け込むことで、酵素が働き、肉を柔らかくし、肉そのものの臭みも取ります。 従来の焼肉店にないメニュー・アイテムとして開発が成功すれは、全国の健康食レストランにも希な(豚肉やチキンはあるが)牛肉を使ったヘルシー焼肉として確立できる、と考えたのです。 ただ言うのは簡単、やるのは大変。 ここからが担当スタッフの悪戦苦闘の始まりでした。
 
つけ込み時間と気温、ブロックの大きさと肉の部位。どれひとつ変えても味は大きく変わるのです。試作と試食を幾度となく重ね、ベストといえるバランスが導き出されました。 しかし、オープンまで後10日というミーティングで、深刻な問題を発見しました。最終的なメニューアイテムへの落とし込みと、ボリューム、盛りつけに問題があったのです。 とその時、副店長になるK氏が言い放ちました。 「“まだ”10日ある!すぐ改善しよう!」 (すごい…Kさんかっこいいぞ…) 全スタッフが燃えたことは容易に想像できます。 なんと、その3日後には見事にすべてクリアしていたのです。
 
感動的なメニュー開発は、手作り菓子工房でも行われました。 利益追求よりも、お客様の笑顔が見たい、その思いからその単価では予想できない高品質の商品を創り出したのです。濃厚カスタードのシュークリーム、仕込み水の代わりに牛乳をつかった食パン、こだわり素材のロールケーキや味覚の変わらないビン入りプリンです。 これは大山乳業農協だからできた、ここだけの商品と確信しました。
 
 
そうしたスタッフの思いとこだわりに感動しました。 そして感謝を込めて、メッセージを作成したのです。
自然があって、人がいて、農業がある。
大山乳業農協らしさとは何か。 自らに問いかけるとき、 地元にこだわり、素材にこだわり続けた 歴史を振り返る。 それは、消費者に対する良心と、 生産者の誇りの積み重ね。 派手さはなくともコツコツと。 (以上壁面メッセージボードの抜粋)
そう、これからもコツコツと、歩みはゆっくりでも、ファーマーズガーデンは着実に進んでいくはずです。 自然を愛し、製品に誇りを持つ酪農家と職員と、信頼と評価をくださる消費者がいるかぎり。 秋晴れの中、ファーマーズガーデンのオープニングは、たくさんのお客様や取材の殺到する素晴らしいものでした。 古びた工場は、健全な食にこだわる地域に密着した飲食店として、第2の使命をスタートさせたのです。 牛乳のように真っ白い店内に、2つのこだわりショップ。 鳥取にお住いの方、また鳥取市を訪れる方には、ぜひとも立ち寄っていただきたいお店です。

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