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 完了したプロジェクトの実践報告です。何をどのように創造したのか、エピソードを添えて紹介します。
#04 旧工場を再生利用し、理念ある店にするために何をしたか。 |
#03 ブランディングと共に、ローコストで目指したカジュアルな手打ちそば店。 |
#02 素人がいきなり飲食店を経営!無謀な計画に対して提案したのは? |
#01 何度も訪れたくなる、環境と共存する観光牧場のために設定したこと。 |
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島根県飯石郡飯南町。 四方を山に囲まれた、静寂の山里頓原に「一福本店」はあります。 手打ちにこだわったコシの強さと秘伝のだし。 そば好きにはたまらない、いつも客足の絶えない地元の名店です。 現在は中国地方に6店舗の支店を持ち、催事出店や自社商品も販売するメーカーでもあります。 社長はじめ、全スタッフが生き生きと仕事を楽しむ、その好調な業績もうなずける会社なのです。
 
更なる質的向上のポイント
そんな一福にも行うべき開発はありました。 良いところは生かし、更に一皮むけてステップアップするためのブランディング構築。 今を根本をしっかり固める時期として考え、その施策に着手したのです。 そのためには、一福の理念を目に見えるかたちに表現し、それをメッセージとして消費者に伝えることが必要です。 店舗にも商品にも、すべてに統一して利用できるデザイン開発によって、視覚的に伝えるV.Iデザイン(視覚的統一)開発がスタートしました。

一福全店の、そして商品の精神的柱は、頓原の自然であり本店です。 その素朴さという“良い意味でのバタ臭さ”を生かしながら、品格あるメッセージとするため、日本古来の瓦版や版画のイメージでビジュアルをつくりました。 新しいロゴ、キャッチフレーズ、ビジュアルパーツの創作点数は、50点を超えています。 あらゆる場面で利用できるオリジナルの意匠は、一福だけのデザイン資産として機能します。 まずソフトがあって、それを生かし切るハードが発想できます。 ハード、すなわち店舗や商品や造作物に、イメージ統一されたメッセージが登場することになります。
 
素朴さと気軽さを表現したお店。
そんなとき、一福の新店舗の計画が持ち上がりました。 地域密着型のデパート内の、いわゆる“居抜き”の店舗開発です。 それまでの洋食店から大きなゾーニング変更もせず、かつローコストにスピーディーに完成させなければなりません。 立地的には、圧倒多数である女性客に好まれるもの。 店舗的には、衣料フロアの奥まった場所という条件で、その場を違和感なく主張するもの。 コストをかけず短期間に完成させるという条件から、内装工事は必要最小限にとどめ、女性客を意識した休憩コーナー、島根産品販売コーナーの設置、そば打ちコーナーなどを重要視しました。 一福全体のための新しいロゴ、キャッチフレーズ、ビジュアルパーツという、デザイン資産をさっそく活用できる舞台ができました。
 
 
写真の髭の2人は怪しい者ではありません。 共に店舗づくりで奔走した、アーティストのT氏、建築家のY氏。 オープン直前、すべての仕事を終え一息というところです。 壁面のビジュアルが、単調になりがちな和風の店内に色彩とリズムを醸し出しています。 店舗において、おざなりにされがちなのが、POPなどの店内告知です。ここでは壁面装飾がPOPスペースを持っているため、位置やサイズが統一でき、煩雑に見えることはありません。 オープン時には社長自ら手打ちを披露。にぎやかな開店でした。
 
素朴で力強く、かつしなやかな絶品手打ち。
一福は厳選素材と地元奧出雲の素材にこだわるお店。 手打ちのそばは、粗挽きの挽きぐるみを使った、野趣に富む田舎風の風味。その絶妙な舌触りに調和する濃いめの秘伝だし。 一福の味には、一見さんも常連にしてしまう魅力があります。 種ものでは地元産舞茸天ぷらが好評。そばつゆに負けない食感と香りが持ち味です。 現在店舗内でそば道場もスタートし、平日昼にも主婦へのそばうち講習と食事会でにぎわっています。 お近くにお越しの際は、ぜひ一度山里の味をご賞味ください。 一福の思いを、軽やかな口上のように表現した暖簾が迎えてくれます。 また一福のHPも必見。オリジナル商品のネット通販もありますよ。

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